原酒とは?|加水しないことで味わえるパンチの効いた日本酒の飲み方

グラスに注がれた原酒

日本酒の「原酒(げんしゅ)」というお酒をご存じでしょうか?

サケ丸

日本酒は「割り水」と呼ばれる工程で水を加えてアルコール度数を調整しているんだけど、原酒は水を加えていないお酒だよ!

さやかちゃん

アルコール度数がすごく高そうですね…。
原酒は水を加えていない濃厚な日本酒

※クリックで拡大

原酒は醪(もろみ)を搾ったあとに水を加えていないため、アルコール度数は20度前後と高く、味はお米の濃厚な風味を強く感じることができます。

  • お米本来の濃厚な旨味と香りを楽しみたい
  • アルコール度数の高いパンチの効いたお酒が飲みたい
  • 日本酒に氷を入れてロックで味わいたい

このような方は、日本酒の原酒をぜひ一度飲んでみてください。

サケ丸

ワイルドで荒々しい飲み口の「原酒」は、一度は味わってほしいお酒だよ!

そこで本記事では、日本酒の「原酒」について以下の3つを中心に解説します。

本記事で解説すること

  • 原酒とはどのようなお酒なの?
  • 原酒・生酒・生原酒・無加水の違いとは?
  • 原酒のと一緒に「和らぎ水」を飲むメリットとは?

本記事をご覧いただくことで、原酒の魅力を感じていただけるきっかけになりましたら幸いです。

原酒とは|水を加えていない濃厚な香りと味わいが特徴のお酒

グラスに並々と注ぐ日本酒

醪から搾られた原酒はアルコール度数が20度前後ありますので、飲みやすいように水を加えてアルコール度数を15度前後に調整しています。

このように日本酒に水を加える作業は、「割り水(わりみず)」と呼ばれています。

つまり、原酒とは割り水を行う前の日本酒のことです。

醪(もろみ)とは?

酒母に「蒸し米・米麹・水」を3回に分けて仕込み(三段仕込み)、糖化とアルコール発酵させたもの。発酵が進むと3~4週間で醪が完成し、搾ることで日本酒が抽出されます。

なお、醪(もろみ)の詳細は、醪(もろみ)とは?|三段仕込みは多量の日本酒を造る伝統技術でもご紹介していますので、あわせてご参照ください。

サケ丸

原酒は割り水をしていないので、お米本来の香りや味わいをダイレクトに味わえるお酒だよ!

原酒・生酒・生原酒の違い|「割り水」と「火入れ」の有無で異なる

原酒・生酒・生原酒の違い
割り水 火入れ
原酒(げんしゅ)
生酒(なまざけ)
生原酒(なまげんしゅ)

「原酒」と名前がよく似たお酒に「生酒」「生原酒」があります。これらのお酒は、「割り水」と「火入れ」の有無で分類することができます。

火入れとは?

火入れとは、醪(もろみ)を搾った日本酒を62℃~65℃のお湯で低温殺菌する作業のことです。搾られた日本酒は、一般的に貯蔵タンクに入れるときに1回、瓶詰めするときに1回の合計2回火入れが行なわれます。火入れを行うことにより「火落ち菌」による腐敗や、酵母や酵素による味の変化を防ぐことができます。

なお、火入れについては、「日本酒の火入れとは?|生酒・生詰め酒・生貯蔵酒の違いは火入れの回数」でもご紹介していますので、併せてご参照ください。

「原酒」は割り水をしていない日本酒で、火入れをしているか否かを問いません。「生酒」は火入れをしていない日本酒で、割り水をしているか否かを問いません。そして、割り水も火入れもしていない「生酒+原酒」のお酒は「生原酒」と呼ばれています。

  • 原酒(げんしゅ)
    ⇒ 割り水をしていない日本酒(火入れは問わない)
  • 生酒(なまざけ)
    ⇒ 火入れをしていない日本酒(割り水は問わない)
  • 生原酒(なまげんしゅ)
    ⇒ 割り水も火入れもしていない日本酒

MEMO
同じ「生」が付く日本酒に「生詰め酒(なまつめしゅ)」「生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)」というお酒があります。こちらは1回だけ火入れをしている日本酒です。

  • 生詰め酒(なまつめしゅ)
    ⇒ 醪を搾って貯蔵タンクに入れる直前に1度火入れする
  • 生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)
    ⇒ 出荷(瓶詰め)する直前に1度火入れする

関連記事:日本酒の生酒とは?|生詰め酒・生貯蔵酒との違いや正しい保存方法をご紹介

無加水(むかすい)とは|全く加水していない素の状態の日本酒

スーパーや酒販売店でラベルに「無加水」と表記された日本酒を目にされた方もいるかと思います。

「原酒」と「無加水」は共に「割り水をしていない日本酒」という意味で使われていますが、厳密には以下の違いがあります。

「原酒」と「無加水」の違い

  • 原酒(げんしゅ)
    ⇒アルコール分1%未満の範囲内で加水調整した日本酒
  • 無加水(むかすい)
    ⇒加水調整を全くしていない日本酒

実は、酒税法の決まりで、搾った日本酒はアルコール分1%未満であれば加水調整しても原酒と名乗ることができます

「清酒の製法品質表示基準」
3 任意記載事項の表示
(4) 原酒
製成後、水を加えてアルコール分などを調整しない清酒に表示できます。
なお、仕込みごとに若干異なるアルコール分を調整するため、アルコール分1%未満の範囲内で加水調整することは、差し支えないことになっています。
(引用:国税庁ホームページより)

そのため、市場で流通している原酒には

  • 加水(アルコール分1%未満)された原酒
  • 加水されていない原酒 ⇒ 無加水

の2種類があるのです。

さやかちゃん

全く加水されていない日本酒を飲みたい場合は「無加水」とラベルに表示されているものを選べばいいんですね ♪

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原酒は「パワフル」で「ガツン」とくる刺激的な味わいを楽しめる

水を飲む女性

日本酒は、アルコール度数が1度違うだけで印象がガラッリと変わるとても繊細なお酒です。

原酒は、割り水によるアルコール度数の調整が行われていませんので、日本酒本来のお米の香りと濃厚な味わいを堪能することができます。

日本酒の原酒はアルコール度数が高い

※クリックで拡大

また、原酒はアルコール度数が18~20度と醸造酒の中ではアルコールがかなり強いため、原酒の「ガツン」とくる刺激的な味わいはお酒の強い方にも満足していただけることでしょう。

MEMO
日本酒の原料となるお米は「酒造好適米」という酒造りに特化した米が使われています。酒造好適米は、品種や栽培されている地域の気候・風土によって味わいが異なります。原酒は、地域で栽培されたお米の風味を存分に楽しむことができる魅力的なお酒です。

サケ丸

アルコールの刺激的な味わいを楽しみにしている日本酒ファンは多いんだよ!

関連記事:蒸留酒と醸造酒の違いとは?|蒸留酒は醸造酒を濃縮したアルコール度数の高いお酒

おすすめアレンジ2選|原酒の美味しいの飲み方

原酒は、割り水をしていないためアルコール度数が高く味の濃い日本酒です。

そのため、原酒をそのまま飲むだけではなく、他の食材とアレンジすることで違った味わいを楽しむことができます。

アレンジ①:原酒オンザ・ロックで清涼感を楽しむ

日本酒ロック

原酒はアルコール度数が高いお酒ですので、氷を入れた「オンザ・ロック」でいただくとアルコールが適度に薄まってスッキリとした味わいになります。

原酒の持つ日本酒本来の風味を楽しみながら、時間の経過とともに氷が溶けて変わる「味わいの変化」も楽しむことができます。

サケ丸

オンザ・ロックで使う氷は、天然水で作られた大きめのものを使うと、原酒の風味のバランスを崩さずに美味しく飲むことができるよ!

アレンジ②:原酒をカクテルベースのお酒として使う

カクテル

原酒はアルコール度数が高く味わいが濃厚なため、カクテルを作るときのベースのお酒としても使うことができます。

  • 原酒 + トマトジュース = レッドサン
  • 原酒 + ライムジュース = サムライ・ロック
  • 原酒 + 炭酸ソーダー  = 日本酒ソーダー割り
  • 原酒 + 緑茶      = 日本酒の緑茶割り

原酒はとても濃厚なお酒ですので、炭酸やジュースで割っても原酒の風味が損なわれることがありません。

さやかちゃん

いろいろな組み合わせを試しながら、お好みの味を見つけてください ♪

原酒は「和らぎ水」を一緒に飲むと悪酔いや二日酔いを防いでくれる

コップから溢れる水

原酒はアルコール度数が20度程度ありますので、大量に飲むと身体への負担となり、二日酔いや悪酔いを引き起こします。

このような状態を防ぐため、原酒と一緒に「和らぎ水」を交互に飲むことをおすすめします。

和らぎ水は、ウィスキーと一緒に提供される「チェイサー」のようなもので、以下の4つの効果があります。

和らぎ水の効果

  • 二日酔いや悪酔いを防ぐ
  • 脱水症状を防ぐ
  • 飲み過ぎを防止してくれる
  • 口の中をリフレッシュしてくれる

和らぎ水は、冷水ではなく常温の水がおすすめで、飲んだお酒の1.5倍~2倍程度を目安にしてください。

お酒を飲んだ後にまとめて飲んでも効果はありませんので、日本酒と「交互に」飲むのがポイントです。

さやかちゃん

日本酒と水を一緒に飲むなんて、初めて聞きました!まるでウィスキーなど洋酒を飲むときの「チェイサー」のようですね ♪

サケ丸

いいところに気づいたね♪ 和らぎ水とチェイサーは理屈は一緒なんだよ!

関連記事:和らぎ水とは?|日本酒版「チェイサー」は二日酔い防止に効果あり

まとめ:加水していない「素の日本酒」をぜひお試しください!

ここまで、「原酒」とはどのような日本酒なのか、また原酒の美味しい飲み方などについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

原酒は加水をしていない「素の日本酒」ですので、蔵元が目指す日本酒の味わいをストレートに味わうことができます。

そのため、まずは原酒をストレートで飲んでみて、原酒そのものの味わいをぜひ楽しんでください。

なお、原酒はアルコール度数がとても高いため、「和らぎ水」を飲むなどして体に負担のないよう心掛けてください。

  • 原酒とは、割り水を行う前の日本酒のことです。
  • 原酒は、割り水によるアルコール度数の調整が行われていないため、日本酒本来のお米の香りと濃厚な味わいを味わうことができます。
  • 生酒とは、火入れを行っていない日本酒です。
  • 割り水も火入れもしていない日本酒を「生原酒」と言います。
  • 同じ「生」が付く日本酒で「生詰め酒」と「生貯蔵酒」がありますが、どちらも1回火入れを行っている日本酒です。
  • 原酒はアルコール分1%未満の範囲内で加水調整をしていますが、「無加水」加水調整を全くしていない日本酒です。
  • 原酒は氷を入れた「オンザ・ロック」や原酒をカクテルベースとして使うなど、飲み方をアレンジして楽しむことができます。
  • 原酒はアルコール度数が20度前後あるため、「和らぎ水」を交互に飲むことをオススメします。

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