日本酒の生酒とは?|生詰め酒・生貯蔵酒との違いや正しい保存方法をご紹介

春に訪れを感じる生酒

さやかちゃん

生酒は「新鮮」「フレッシュ」という良いイメージがあります♪

サケ丸

生酒はとてもデリケートなお酒なので、保存方法には注意が必要なんだよ!

「生ビール」「生プリン」「生チョコ」…。「生」が付くと新鮮、採れたて、贅沢など美味しそうなイメージが頭に浮かびませんか。

頭に生が付く美味しそうな食品

実は、日本酒にも名前に「生」が付いたお酒があります。 そのお酒が、今回ご紹介する「生酒」です。

生酒は、11月下旬から2月にかけて販売される季節限定のお酒で、搾りたてのフルーティーな味わいが特徴のお酒です。

それでは、日本酒で「生」が付いている生酒はどのようなお酒で、一般的な日本酒とは何が違うのでしょうか。

そこで本記事では、日本酒の生酒について以下の2つを中心に解説いたします。

タイトル

  • 生酒とはどんなお酒なのか
  • 同じ「生」が付く「生酒」「生詰め酒」「生貯蔵酒」の違い
  • 生酒の正しい保存方法

日本酒でも名前に「生」が付くタイプのお酒が複数ありますが、その違いが分かれば日本酒選びがもっと楽しくなると思いますので、最後までぜひご覧ください。

生酒は1回も火入れしていない日本酒|繊細で長期保存が難しい

升に注がれる日本酒

生酒は火入れを1回も行っていない日本酒で、「本生(ほんなま)」「生々(なまなま)」とも呼ばれています。

火入れとは|62℃~65℃のお湯を使って火落ち菌を低温殺菌する作業

火入れとは、醪(もろみ)を搾る上槽(じょうそう)作業によって抽出された日本酒を62℃~65℃のお湯で低温殺菌する作業のことです。

一般的に日本酒は、貯蔵タンクに入れるときに1回、瓶詰めして出荷する前に1回の合計2回火入れが行われます。

さやかちゃん

生酒の「生」は、火入れしていないという意味だったんですね!

関連記事:日本酒の火入れとは?|生酒・生詰め酒・生貯蔵酒の違いは火入れの「回数」

火入れの効果は2つある|酒質の安定による長期保存と火落ち菌の殺菌

日本酒は、なぜ火入れの作業を行うのでしょうか。それは、火入れを行うことにより以下の2つの効果があるからです。

火入れの効果

  1. 酵母や酵素の活動を停止させることで日本酒の酒質が安定し、長期間保存することができる
  2. 日本酒の腐敗につながる「火落ち菌」を殺菌することができる

生酒は、火入れを行わないため酵母や酵素などの微生物が生きた状態で瓶詰めされています。

そのため、出荷後も瓶の中で微生物は活動を続けますので、時間の経過とともに酒質や味わいが変わリやすいお酒と言えます。

サケ丸

生酒は、火入れをしていからこそ味わえるフレッシュな味わいが最大の魅力なんだ!

生酒・生詰め酒・生貯蔵酒の違いとは|火入れのタイミングと回数

日本酒のタイプによる火入れの違い

※クリックで拡大

同じ「生」が付く「生酒」「生詰め酒」「生貯蔵酒」の違いは、火入れの回数とタイミングにあります。

火入れ回数|生酒0回、生詰め酒は貯蔵前1回、生貯蔵酒は出荷前1回

「生酒」は火入れを1回も行わないのに対して、「生詰め酒」「生貯蔵酒」は貯蔵タンクに入れるときや出荷するときに火入れを1回だけ行います。

  • 生酒
    ⇒ 火入れを1回も行わない
  • 生詰め酒
    ⇒ 貯蔵タンクに入れる直前に1回火入れをして、出荷前の瓶詰め直前には火入れしない
  • 生貯蔵酒
    ⇒ 生のまま貯蔵タンクに貯蔵して、出荷前の瓶詰めの直前に1回火入れする

「生詰め酒」「生貯蔵酒」は1回火入れを行うお酒|冷蔵保存が必要

「生詰め酒」「生貯蔵酒」は火入れを1回に止めているため、生酒に似たフレッシュな味わいと酸味を楽しむことができます。

なお、「生詰め酒」「生貯蔵酒」は火入れを1回行っているため生酒と比べて酒質は安定していますが、2回火入れを行っている一般の日本酒のように常温で保管すると味が変わりやすいため、できるだけ冷蔵庫で保管するようにしてください。

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生酒は冷酒でもお燗酒でも美味しくいただける

温度計を持つ女性

幅広い温度帯で楽しめるのが日本酒の特徴ですが、生酒は何度で飲むのが一番美味しいのでしょうか?

生酒は冷やすとスッキリとした味わいになる

冷酒の呼び名と温度帯
冷酒の呼び名 温度帯 香味の特徴
雪冷え(ゆきびえ) 5℃程度(氷水くらいの温度) 香りや味わいが感じにくい
花冷え(はなびえ) 10℃程度(冷蔵庫で冷やしたくら
いの温度)
香りが小さくなり喉越しがよくなる
涼冷え(すずびえ) 15℃程度(冷蔵庫から出して少し
時間が経過したくらいの温度)
華やかな香りやとろみのある味わい
がある

香りが華やかで、フルーティーな味わいの生酒は、10℃前後の「花冷え(はなびえ)」まで冷やして飲むことをおすすめします。

  • 「日本酒特有の香りや甘みが苦手で…。」
  • 「夏にピッタリな清涼感のある生酒を飲みたい!」

このような方は、ぜひ冷やした生酒をお試しください。

生酒は、冷やすことで香りや甘みが適度に抑えられて、スッキリとしたキレのある味わいになります。

サケ丸

日本酒は冷やすと香りや味わいが感じにくくなる特性があるよ。

関連記事:日本酒の冷酒の作り方|3つの方法と温度で変わる冷酒の味わいとは?

生酒を温めるとフルーティーな香味が引き立つ

お燗酒の温度と呼び方
お燗の呼び名 温度 (徳利の温度) 香りと味わい
飛切燗(とびきりかん) 55~60℃(熱い) 強い香りと刺激的な辛口の味わい
熱燗(あつかん) 50~55℃(やや熱い) シャープな香りと辛口の味わい
上燗(じょうかん) 45~50℃(湯気が出て熱い) 香りや味わいが強く感じられる
ぬる燗(ぬるかん) 40~45℃(やや温かい) 香りの輪郭がはっきり感じられる
人肌燗(ひとはだかん) 35~40℃(ほんのり温かい) 味わいが膨らみはじめる
日向燗(ひなたかん) 30~35℃(温度を感じない) ほんのり香味が感じられる

「生酒=冷酒」というイメージが強いですが、温めると違った味わいを楽しむことができます。

おすすめは40~45℃の「ぬる燗」で、温めると生酒の特徴であるフルーティーな香りや味わいがさらに引き立ちます。

日本酒は、さまざまな温度帯で違う味わいを楽しむことができる魅力的なお酒です。自分にピッタリの飲み方や温度を探すのも楽しみの1つと言えるでしょう。

関連記事:お燗酒の作り方|湯煎と電子レンジを使った日本酒の温め方のコツとは?

生酒は「赤外線」と「高温」が苦手|5℃以下の冷蔵保管が必須

冷蔵庫の庫内の温度

※クリックで拡大

生酒は光や温度によって酒質が変わるとても繊細なお酒ですので、保管方法には注意が必要です。

紫外線は酒質を劣化させる|光の当たらない場所で保管しましょう

「紫外線」が当たると酒質が急速に劣化し、「日光臭」という玉ねぎや漬物のたくあんのような劣化臭を発するようになりますので、光の当たらない場所で保管するようにしましょう。

また、「紫外線」は太陽光だけではなく蛍光灯の光からも発生しますので、室内で保管するときは瓶を新聞紙でくるむなどすると良いでしょう。

高温になると味のバランスが崩れる|冷蔵庫で保管しましょう

生酒は瓶の中で乳酸菌や酵母などの微生物が生きていますので、温度が上がると酵母や酵素などの活動が活発になり、日本酒の味のバランスを崩す原因となります。

そのため、生酒を保管する場合は、5℃以下の冷蔵庫で保管するようにしましょう。

また、日本酒は空気に触れると酸化するため、開封後は1ヶ月以内を目処に飲み切ることをおすすめします。

関連記事:日本酒の保管で重要な3つのポイント|気を付けたい「光」と「温度」の管理

まとめ

今回は、火入れを1回もしていないフレッシュな味わいが特徴の生酒をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

生酒は、瓶の中で酵母や酸が生きていますので、光や温度によって酒質が変わるとても繊細なお酒です。冷蔵庫がなかった昔は、酒蔵まで行かないと生酒は飲むことができなかったそうですよ。

生酒のフレッシュな味わいと華やかな香りをご家庭でぜひ楽しんでいただければ幸いです。

  • 生酒は火入れを1回も行っていない日本酒。
  • 加熱処理されていないため、味わいはとてもフレッシュで、日本酒が本来持つ爽やかな香りを楽しむことができる。
  • 同じ「生」が付く「生酒」「生貯蔵酒」の違いは火入れの回数とタイミング
  • 生酒は火入れを1回も行わないのに対して、生貯蔵酒は出荷する前に1回火入れが行われる
  • 生酒は冷やすことで、香りや甘みが適度に抑えられて、スッキリとしたキレのある味わいになる。
  • 生酒は「ぬる燗(40~45℃)」にすると、フルーティーな香りや味わいがさらに引き立つ。
  • 生酒は5℃以下の冷蔵庫で保管する必要がある。

 

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