「冷酒」と「冷や」の違いとは?|冷酒は冷蔵庫の普及によって広まった近代の飲み方

冷酒をアイスボックスで冷やす

サケ丸

居酒屋で冷酒を注文するときに「冷や(ひや)でください!」と言うと常温の日本酒が出てくる場合があるから、注意が必要だよ。

さやかちゃん

「お冷(おひや)」は「冷たい水」という意味でも使われていますよね!

日本酒の「冷酒(れいしゅ)」と「冷や(ひや)」の違いをご存じでしょうか?

実は、結論を申し上げますと以下のような使い分けがされています。

  • 「冷や」  → 常温の日本酒
  • 「冷酒」  → 冷やした日本酒

そのため、居酒屋などで冷酒を頼むときに間違えて「冷やでください!」と伝えると、常温の日本酒が提供され場合があります。

間違えやすい「冷や」と「冷酒」、なぜこのような使い分けがされるようななったのでしょうか。

そこで本記事では、「冷酒」と「冷や」の違いについて歴史的な背景をふまえながらご紹介します。

お燗酒より冷たい日本酒は「冷や(ひや)」と言う

お燗酒以外の日本酒を冷やという

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「冷や(ひや)」は「冷や酒」の略で、常温(20℃程度)の日本酒を指します。冷蔵庫がなかった昔は、日本酒の温度といえば「冷や」と「お燗酒」の2種類しかありませんでした。そのため、昔の人は「お燗酒」に比べて温度の低い常温の日本酒を「冷や」と呼んでいたのです。

現在も、「冷や=常温の日本酒 」として使われていますので、居酒屋で冷酒を注文する際はご注意ください。

冷蔵庫で冷やした日本酒は「冷酒(れいしゅ)」と言う

冷酒は冷蔵庫の普及により可能となった近代的な飲み方

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「冷酒」は冷蔵庫で冷やした日本酒(5℃から15℃程度)で、1970年代の冷蔵庫の普及や1980年代前半の「吟醸酒」ブームにより新たな飲み方として定着しました。そのため、日本酒を冷蔵庫で冷やして飲む「冷酒」は比較的歴史の浅い飲み方と言えるでしょう。

冷酒の登場で、日本酒は季節に合わせて冷酒、冷や、お燗と幅広い温度帯で楽しむことができるお酒になりました。

サケ丸

「日本酒はクセがあって苦手」という方には冷酒がオススメだよ。日本酒は冷やすとサッパリとクリアな味わいに変わるから飲みやすくなるんだ ♪

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「冷酒」は温度に応じて「3種類の呼び名」がある

冷酒の呼び名と温度
区分 温度 冷たさの程度
雪冷え(ゆきびえ) 5℃程度 氷水くらいの温度
花冷え(はなびえ) 10℃程度 冷蔵庫で冷やしたくらいの温度
涼冷え(すずびえ) 15℃程度 冷蔵庫から出して少し時間が経
過したくらいの温度

冷酒は温度に応じて5℃きざみで「雪冷え」「花冷え」「涼冷え」の3種類の呼び名があります。

日本酒は、温度が低くなるほど香りが抑えられ甘みや味わいが小さくなりますので、スッキリとしたのど越しになります。

注意
日本酒は強く冷やすと香りが閉じて水のような薄い味わいになり香味のバランスが崩れますので、冷やし過ぎないようご注意ください。

雪冷え(ゆきびえ):5℃程度

目安は瓶に結露ができて、冷気が見える温度。氷水などで冷やすことにより香りが抑えられ、味わいに爽快なキレが感じられます。

花冷え(はなびえ):10℃程度

目安は冷蔵庫に数時間冷やした状態で、瓶に触れるとすぐに冷たさを感じる状態。香りは小さくなり、きめ細かな味わいになります。

涼冷え(すずびえ):15℃程度

目安は冷蔵庫から出して10分くらい経過した状態。華やかな香りが感じられ、まろやかな味わいになります。

日本酒を冷やす3つの方法

日本酒を氷で冷やす

日本酒の冷やし方を3つご紹介します。それぞれの冷やし方には一長一短ありますが、目的に合わせて使い分けてください。

方法1:冷たさ長持ち|冷蔵庫で冷やす方法

冷蔵室

日本酒の瓶ごと冷やすため、冷蔵庫から出しても冷たさが長持ちするメリットがあります。ただし、冷やしすぎると香りも味わいも抑えられて薄い味になることがありますので、冷やし過ぎにはご注意ください。

方法2:素早く冷やせる!|瓶ごと氷水に浸して冷やす方法

氷冷クーラー

(画像:ワインクーラー)

冷蔵庫よりも素早く日本酒を冷やすことができます。また、氷の入れ具合によって温度調整ができるため、冷やしすぎを防止できます。

方法3:サッパリ飲める|日本酒が入ったグラスに氷を入れて冷やす方法

日本酒ロック

グラスに大きめの氷を入れることによって、日本酒を素早く冷やすことができます。また、時間が経過すると氷が溶けだしてアルコール度数が低下しますので、サッパリと飲みやすくなるメリットがあります。

サケ丸

オンザロックで使う氷は天然水で作ったものを使うと、日本酒の味わいを崩さずにおいしく飲めるよ!

関連記事:日本酒の冷酒の作り方|3つの方法と温度で変わる冷酒の味わいとは?

「冷酒」は悪酔いしやすいので飲み過ぎに注意

頭痛

冷酒は冷やすことによって軽やかな口当りになりスイスイと飲めてしまいますので、「気が付いたときは結構な量を飲んでいた…」という経験をされた方もいるかと思います。

人間の胃は食べた物が体温と同じ温度にならないと消化しない

実は、人間の胃は食べた物が体温と同じくらいの温度にならないと消化しない特性があります。冷酒は胃の中に入って体温と同じくらいになるまで蓄積され、温度が上がった途端に一気にアルコールが身体に吸収されるため、酔いが回るのが遅く悪酔いしやすいとされています。

一方、お燗酒は胃に入ると比較的早くアルコールが吸収されるため、酔いを感じやすく飲み過ぎを防いでくれます。

「和らぎ水」はアルコールによる体への負担を軽減してくれる

「和らぎ水」をご存知でしょうか。和らぎ水とは、日本酒と交互に飲む水のことで、日本酒版の「チェイサー」のようなもの。

日本酒はアルコール度数が15度前後あり、醸造酒の中では比較的高いお酒です。そのため、水のようにグイグイと飲んでしまうと血中のアルコール濃度が高くなり、悪酔いや二日酔いの原因となります。

そこで、日本酒と交互に同量の和らぎ水を飲みますと、体内のアルコール濃度の上昇を防ぎ、体への負担を軽減することができるのです

サケ丸

冷酒は酔いが後から回ってくる…、ぜひ覚えておいてくださいね!

さやかちゃん

適量を守って、楽しく飲みたいですね ♪

関連記事:和らぎ水とは?|日本酒版「チェイサー」は二日酔い防止に効果あり

まとめ

冷蔵庫がない昔は、温かくない常温のお酒が「冷や」で、「冷酒」は冷蔵庫で冷やした近代の飲み方であることをご紹介しました。居酒屋で間違えないためにも、冷酒を頼むときには「冷たいお酒をお願いします!」と伝えてもいいかもしれませんね。

  • お燗より冷たいから「冷や(ひや)」と言うようになった。
  • 「冷酒」は冷蔵庫が普及してから飲まれるようになった比較的歴史の浅い飲み方である。
  • 「冷酒」は温度に応じて雪冷え(5℃程度)花冷え(10℃程度)涼冷え(15℃程度)の3種類の呼名がある。
  • 人間の胃は食べ物が体温と同じくらいの温度にならないと消化しない特性があるため、冷酒は酔いが回るのが遅く悪酔いしやすい
  • お燗酒は胃に入ると比較的早くアルコールが吸収されるため、酔いを感じやすく飲み過ぎを防いでくれる。

 

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