酒粕は醪(もろみ)を搾ったあとの固形物!|酒粕の種類や保存方法について

板粕

サケ丸

酒粕は栄養満点の食材で、昔からいろいろな料理に使われているよね!

さやかちゃん

私はお婆ちゃんが作る「粕汁」が大好きなんですよ ♪

酒粕は、粕汁や魚肉の粕漬け、奈良漬けなど料理の風味や旨味を引き出す万能な食材です。

また、タンパク質や炭水化物、食物繊維、ビタミンB群、ミネラル、必須アミノ酸など、酒粕は栄養素を豊富に含んでいるため、最近では健康維持や美容に効果があるとして、注目を浴びています。

そんな私たちにとって馴染み深い栄養満点の酒粕ですが、実は種類が4つあることをご存知でしょうか。

酒粕には4つの種類がある

さやかちゃん

酒粕は、スーパーでよく見かける「板状のもの」だけかと思ってました!

今回は、魅力的な機能性食品とし注目されている酒粕について、以下の2つを中心に解説いたします。

今回解説すること

  • 酒粕の4つの種類とその製造方法
  • 日本酒の種類で変わる酒粕の味わい

サケ丸

酒粕にもいろいろな種類があるから、用途に応じて使い分ける必要があるんだ!

酒粕は日本酒の製造工程(上槽)から生まれる副産物

酒粕

日本酒はとても複雑な醸造工程を経て造られるお酒ですが、それでは酒粕はどの工程で生まれるのでしょうか。

上槽(じょうそう)は醪(もろみ)を原酒と酒粕に分離する作業

酒税法では、日本酒(清酒)を名乗るためには醪(もろみ)を濾す(こす)作業が必要であると定められていますが、この濾す作業を「上槽(じょうそう)」といいます。

お粥のようなドロドロとした醪(もろみ)は上槽によって液体(原酒)と個体(酒粕)に分離されますが、この工程で個体として残ったものが酒粕になります。

醪(もろみ)とは?

酒母に「蒸し米・米麹(こめこうじ)・水」を3回に分けて仕込み、糖化とアルコール発酵させたもの。発酵が進むと3~4週間で醪が完成し、搾ることで日本酒が抽出されます。

なお、醪(もろみ)の詳細は、「醪(もろみ)とは?|三段仕込みは多量の日本酒を造る伝統技術」でもご紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。

さやかちゃん

醪を搾ったあとに残る固形物が「酒粕」なんですね!

上槽(じょうそう)は3つの方法がある

醪(もろみ)を搾る上槽は「自動圧搾機」「槽搾り」「袋吊り」の3つの方法があります。

方法①:槽搾り(ふなしぼり)

槽搾り

(出典:片山酒造株式会社ホームページ

槽(ふね)と呼ばれる長方形の桶(おけ)に醪の入った50cm程度の酒袋を積み重ねて、上から圧力をかけて搾る方法です。

自動圧搾機と比べて醪を優しく搾るため、酒粕は柔らかく酒成分も多く含んているのが特徴です。

方法②:自動圧搾機(じどうあっさくき)

自動圧搾機

(出典:株式会社昭和製作所ホームページ

アコーディオンのような形をした蛇腹状の圧搾機に醪を流し込んで、高い圧力をかけて搾ります。

槽搾りと比べて、同じ醪からたくさんの日本酒を効率的に搾ることができますので、現在多くの酒蔵で採用されています。

この自動圧搾機で醪から分離された酒粕が、スーパーなどでよく売られている「板粕」です。

方法③:袋吊り(ふくろづり)

袋吊り

(出典:日の丸醸造株式会社ホームページ

別名「袋搾り」、「雫取り」とも呼ばれています。

醪を入れた50cm程度の酒袋をタンクの中に吊るして、したたり落ちる「雫」を日本酒として抽出する方法です。

袋吊りだけでは醪を日本酒と酒粕に分離することができないため、他の上槽方法と併用して作業が行われます。

さやかちゃん

醪の搾り方によって、酒粕の特徴が変わるんですね!

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酒粕は4つの種類がある

醪(もろみ)の搾り方によって酒粕の形状はさまざま。用途に合わせて種類を選べば、酒粕の特徴を最大限に引き出すことができます。

種類①:板粕(いたかす)は最もポピュラーな酒粕

板粕

(出典:博多日本酒吟醸香ホームページ

自動圧搾機で醪を搾ったあとに、「粕剥がし(かすはがし)」と呼ばれる酒粕を剥がす作業によって取り出された板状の固形物が「板粕」です。

板粕は固くてそのままでは使えませんので、ぬるま湯でふやかしたり電子レンジで温めてペースト状にして使われます。

種類②:バラ粕(ばらかす)バラになった板粕を集めた酒粕

バラ粕

自動圧搾機から板状に取れなかった細切れのものや、柔らかすぎて板状に成形席なかった酒粕を集めたものが「バラ粕」です。

板粕を集めたものなので品質的には同じですが、板粕と比べると柔らかく水に溶けやすいのが特徴です。

種類③:練り粕(ねりかす)はペースト状の酒粕

練り粕

(出典:有限会社おたまやホームページ

酒粕を柔らかくペースト状に練ったものが「練り粕」です。

バラ粕よりもさらに柔らかく溶けやすいため、野菜や肉・魚などを漬け込む際に使われます。

種類④:踏み込み粕(ふみこみかす)は1年ほど熟成させた酒粕

踏み込み粕

(出典:明石酒類酒造株式会社ホームページ

出来たての酒粕をタンクに入れて足で踏み込み、空気を抜いて1年ほど熟成させたものが「踏み込み粕」です。

色は茶色や黄金色をしていて柔らかく、風味と旨味が増しています。
主に奈良漬けなどの漬物に使われます。

日本酒の種類に応じて酒粕の味や香りは変わる

升に入った冷酒

日本酒は、原料や製法によって「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」「普通酒」など種類があり、それぞれ味わいや香りが異なります。

酒粕も同じ醪(もろみ)から生まれた副産物ですので、醪から搾られた日本酒の性質や良し悪しを受け継いでいます。

以下では、日本酒の種類に応じた酒粕の特徴についてお伝えします。

純米酒系の酒粕は香りや旨味が強いのが特徴

純米酒は「蒸し米・米麹・水」のみで造られたお酒で、醸造アルコールが入っていません。

そのため、純米酒の酒粕はお米の香りや旨味が強いのが特徴です。

醸造アルコールとは?

主にサトウキビで造られた高濃度のアルコール。醸造アルコール自体に味や香りはなく、日本酒に入れることによってクリアな味わいになり、香りが引き立つ効果があります。

なお、醸造アルコールの詳細は、「酔いや頭痛は醸造アルコールが原因?|日本酒に醸造アルコールを入れる3つの理由」でもご紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。

関連記事:純米酒とは?|純米吟醸酒・純米大吟醸酒との違いやおいしい飲み方をご紹介

吟醸酒系の酒粕はフルーティーな香味が特徴

吟醸酒はよく磨いたお米を低温でじっくりと発酵させる「吟醸造り」と呼ばれる製法で造られており、仕込んだお米に対して搾ったあとに残る粕の割合(粕歩合)が高い傾向があります。

そのため、吟醸酒の酒粕はフルーティーな香りと爽やかな味わいを酒粕でも実感できるのが特徴です。

関連記事:吟醸酒とはどんな日本酒?|吟醸酒と大吟醸酒の違いとともに詳しく解説します!

普通酒系の清酒成分(水分)が少ないのが特徴

普通酒は、純米酒や吟醸酒、本醸造酒などの特定名称酒に規定されていない日本酒のことで、日本酒市場の7割を占めています。

普通酒の酒粕は、自動圧搾機で搾られた板粕がほとんどで、粕歩合は20%前後と清酒成分が少ない(水分が少ない)のが特徴です。

そのため、清酒成分が多い吟醸系の酒粕よりも水分の少ない普通酒系の酒粕のほうが漬物に適しています

MEMO

「粕歩合(かすぶあい)」とは、仕込んだお米に対して搾ったあとに残る粕の割合のことです。粕歩合が高いほど高級な酒粕で、清酒成分を多く含んでいてしっとりしています。

日本酒タイプと粕歩合
日本酒のタイプ 粕歩合
普通酒 20%~30%
純米酒、吟醸酒 30%~40%
大吟醸酒 50%~60%

サケ丸

吟醸酒系の酒粕で野菜を漬けると、清酒成分と野菜から出る塩水で漬物がベチャベチャになるから、漬物には普通酒系の酒粕を使うといいよ!

関連記事:日本酒の普通酒とはどんなお酒?|安くておいしい普通酒は家飲みにピッタリ

酒粕は「冷蔵庫で半年」「冷凍庫で1年」保存できる

冷蔵庫を開ける女性

酒粕は、酵素や酵母などの微生物が生きていますので、常温で保存すると熟成が進みます。

そのため、常温で保存する場合は日の当たらない涼しい場所で保存するようにしましょう。

また、開封すると酒粕が空気に触れて変色したり、酸化によって風味が落ちてしまいます。

開封後の酒粕は冷蔵庫で保存すると半年は持つとされていますので、使いきれずに余ってしまった場合は冷蔵庫で保管してください。

酒粕の保存期間の目安

  • 常温保存…未開封の場合3ヶ月から6ヶ月程度
  • 冷蔵保存…6ヶ月程度
  • 冷凍保存…12ヶ月程度

注意
酒粕はアルコールを含んでいるため腐りにくい食品です。また、時間の経過とともに風味が変化しますが体に害はありませんので安心してお使いください。ただ、酒粕本来の旨味を十分味わうためにも、正しい保管方法と、開封後は早めに使い切ることを心がけましょう。

関連記事:酒粕はどのくらい保存できる?|常温・冷蔵・冷凍ごとに保存期間やコツをご紹介!

まとめ

ここまで、酒粕についてお話してまいりました。

酒粕は醪(もろみ)を搾る上槽(じょうそう)の工程で生まれること、酒粕には「板粕」「バラ粕」「練り粕」「踏み粕」の4つの種類があること、酒粕は冷蔵庫で半年、冷凍庫で1年保存できることをご理解いただけたかと思います。

酒粕はさまざまな栄養素を含んでいて、健康維持や美容の面で最近注目が集まっています。この点については別の記事で詳しく解説いたしますので、あわせてご覧くださいませ。

  • 醪を上槽によって液体(日本酒)と個体(酒粕)に分離して、残った固形物が酒粕となる。
  • 醪を搾る上槽は、自動圧搾機槽搾り袋吊りの3つの方法がある。
  • 酒粕は、板粕(いたかす)バラ粕(ばらかす)練り粕(ねりかす)踏み粕(ふみかす)の4つの種類がある。
  • 板粕は、自動圧搾機で醪を搾ったあとに残った板状の酒粕。
  • 練り粕は、酒粕を柔らかくペースト状に練ったもの。
  • 踏み粕は、出来たての酒粕をタンクに入れて足で踏み込み、空気を抜いて1年ほど熟成させたもの。
  • 酒粕を常温で保存する場合は、熟成が進まないよう日の当たらない涼しい場所で保存しましょう。
  • 酒粕の保存期間の目安は、常温保存は未開封の場合3ヶ月から6ヶ月程度冷蔵保存は6ヶ月程度冷凍保存は12ヶ月程度
  • 酒粕はアルコールを含んでいるため腐りにくい食品ですが、本来の旨味を十分味わうためにも、正しい保管方法と開封後は早めに使い切ることを心がけましょう。

 

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