日本酒の特定名称酒とは?|8種類の製法や味わいの違いを徹底解説!

特定名称酒は全8種類

サケ丸

特定名称酒は原料から製法まで厳しく要件が定められたお酒だよ!

さやかちゃん

私が好きな吟醸酒も特定名称酒なんですね (^^)

「特定名称酒」と呼ばれる日本酒をご存知でしょうか。

「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」は特定名称酒と呼ばれ、国税庁が定めている「清酒の製法品質表示基準」の要件を満たした高級なお酒です。

特定名称酒は種類によって原料や製造方法が異なりますので、この違いを理解すること、日本酒の味や香りの特徴をある程度つかむことができます。

特定名称酒の香味の特徴

  • 吟醸酒 → フルーティな香り味わい
  • 純米酒 → 穏やかな香りとお米の旨味
  • 本醸造酒 → 豊かな香りとスッキリとした味わい

さやかちゃん

特定名称酒の香味の特徴がわかれば、日本酒選びがもっと楽しくなりそうですね ♪

そこで本記事では、特定名称酒とはどのようなお酒か、全8種類の製法や味わいや香りの特徴についてご紹介します。

特定名称酒は原料や製法が厳しく定められた高級酒

酒蔵の風景

特定名称酒は、国税庁が定めた「清酒の製法品質表示基準」に基づいて以下の3つの種類に分類されています。

  1. 純米酒(じゅんまいしゅ)
  2. 吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
  3. 本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)

また、原料や製法、精米歩合によってさらに8種類に細かく分類されています。

特定名称酒と要件
特定名称酒 原料 精米歩合 香味の要件
本醸造酒 米・米麹・仕込み水
醸造アルコール
70%以下 香味、色沢が良好
吟醸酒 60%以下 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
大吟醸酒 50%以下 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
特別本醸造酒 60%以下または
特別な製造方法
香味、色沢が特に良好
純米酒 米・米麹・仕込み水 香味、色沢が良好
純米吟醸酒 60%以下 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒 50%以下 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
特別純米酒 60%以下または
特別な製造方法
香味、色沢が特に良好

特定名称酒は原料や製法が厳しく定められており、この要件を満たすため手間と時間をかけて造られます。

なお、特定名称酒の要件を満たしていない日本酒は「普通酒」に分類されますが、最近は蔵人の様々な取組みにより吟醸酒並みのハイクオリティーな普通酒も販売されるようになりました。

さやかちゃん

特定名称酒って、こんなに種類があるんですね…。

関連記事:日本酒の普通酒とはどんなお酒?|安くておいしい普通酒は家飲みにピッタリ

特定名称酒を理解するうえで重要な2つの要件

特定名称酒を理解するうえで特に注目したいのが以下の2つの要件です。

  1. 醸造アルコールの使用量(白米重量の10%を超えない)
  2. 米の精米歩合

日本酒は、醸造アルコールの有無やお米の精米歩合によって、味や香りの傾向をある程度つかむことができます。

特定名称酒の中で自分にピッタリのお酒を見つけるためには、この2つの要件を理解する必要がありますので、以下で詳しく解説いたします。

醸造アルコールを日本酒に入れる3つの理由

醸造アルコールが入っている特定名称酒

吟醸酒大吟醸酒本醸造酒特別本醸造酒

醸造アルコールは、主にサトウキビなどを発酵させて造られた高濃度のアルコールです。純度が非常に高いため、水で薄めたうえで日本酒に加えられます。

醸造アルコール自体に味や香りはありませんので、日本酒の香味に影響を与えることはありません。

それではなぜ日本酒に醸造アルコールを添加するのでしょう?理由は以下の3つがあります。

  1. 醸造アルコール自体が辛口のため、添加することにより辛口でクリアな味わいになる
  2. 吟醸酒や大吟醸酒のフルーティーな香りが引き立つ
  3. 雑菌やカビの汚染を防ぐ

サケ丸

醸造アルコールが入った日本酒は香りが華やかで味わいはスッキリしているから、日本酒にあまり馴染みのない方にオススメだよ!

関連記事:酔いや頭痛は醸造アルコールが原因?|日本酒に醸造アルコールを入れる3つの理由

醸造アルコールのイメージを低下させた「三増酒」

醸造アルコールが入っている日本酒に対してこんなイメージをお持ちではありませんか?

  • 悪酔いする
  • ベタベタする
  • 二日酔いになりやすい

「醸造アルコールが入っている日本酒=質の悪い日本酒」とイメージされる方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。

このような誤ったイメージは、戦中戦後の「三増酒(さんぞうしゅ)」によって定着したもと考えられます。

三増酒の正式名称は「三倍増醸清酒」で、太平洋戦争前後の米不足の時代に、醸造した日本酒にさらに2倍の醸造アルコールや糖類を加えることにより、3倍にかさ増しした日本酒のことです。

現在は、2006年の酒税法改正により三増酒は造ることができなくり、日本酒に添加する醸造アルコールの量も従来と比べて少なるよう規制されています。

関連記事:日本酒のイメージを低下させた「三増酒」とは?|三増酒が誕生した背景と現状

精米歩合は数値が低いほど淡麗で華やかな香りの酒になる

精米歩合はお米の表面の削り具合を表す

※クリックで拡大

タンパク質や脂肪などの日本酒の雑味の原因となる成分はお米の表面にあり、これを削って中心部のデンプン質が多い心白を残すことを「精米」と言います。

精米歩合とはお米の表面を削った割合を表す指標で、例えば精米歩合60%はお米の表面を40%削っていることになります。

精米歩合は、お米の味わいや香りに以下のような影響を及ぼします。

  • 「精米歩合」の数値が高い(お米をあまり削らない)→香りは控えめで味が濃く旨味の多い酒になる
  • 「精米歩合」の数値が低い(お米をたくさん削る)→淡麗で華やかな香りの酒になる

サケ丸

お米をたくさん削ると雑味のないスッキリとした味わいのお酒になりますが、その分原料のお米がたくさん必要になるので、価格が高くなるよ!

関連記事:精米歩合とはお米の削り具合を示す指標|精米歩合で変わる日本酒の味わいとは?

「吟醸系」は華やかな香りとスッキリとした味わいが特徴

冷たく冷やした日本酒冷

吟醸酒系の日本酒の特徴
種類 原料 精米歩合 香味の要件
吟醸酒 米・米麹・仕込み水
醸造アルコール
60%以下 固有の香味及び色沢が良好なも
大吟醸酒 50%以下 固有の香味及び色沢が特に良好なもの

吟醸酒

お米を60%以下で精米し、低温でじっくりと醸造する「吟醸造り」で造った日本酒のこと。「吟醸香(ぎんじょうか)」と呼ばれるフルーティーな香りと透明感のある味わいが特徴です。

大吟醸酒

精米歩合が50%以下とお米をさらに磨いて(削って)いますので、吟醸酒よりもさらに香りが豊かになり、一切の雑味のないクリアな味わいが特徴です。

サケ丸

大吟醸酒は、こだわりの原料を使って手間ひまかけて造られたハイクオリティーなお酒。誕生日や結婚記念日など特別な日におすすめの1本です ♪

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「純米系」は米の香りと深い旨味が特徴

日本酒と稲穂

純米酒系の日本酒の特徴
特定名称酒 原料 精米歩合 香味の要件
純米酒 米・米麹・仕込み水 規定なし 香味及び色沢が良好なもの
純米吟醸酒 60%以下 吟醸造り・固有の香味及び色沢が良好なもの
純米大吟醸酒 50%以下 吟醸造り・固有の香味及び色沢が特に良好な
もの
特別純米酒 60%以下または
特別な醸造法
香味及び色沢が特に良好なもの

純米酒

米と米麹、水のみで造られており、醸造アルコールは添加されていません。そのため、お米の香りや旨味をより深く感じることができますので、日本酒好きに根強い人気があります。

また、燗付けするとお米の香りがさらに増しますので、常温(20℃程度)からぬる燗(40℃程度)の温度帯で飲むことをおすすめします。

関連記事:お燗酒の作り方|湯煎と電子レンジを使った日本酒の温め方のコツとは?

純米吟醸酒・純米大吟醸酒

原料は純米酒と同じですが、精米歩合(純米吟醸酒が60%、純米大吟醸酒は50%)製法(吟醸造り)が異なります。

吟醸造りで造られた日本酒は「吟醸香(ぎんじょうか)」と呼ばれるフルーティーで華やかな香りを発しますので、純米吟醸酒と純米大吟醸酒はお米の旨味と吟醸香を同時に楽しむことができます。

特別純米酒

原材料は純米酒と同じですが、精米歩合が60%以下または特別な醸造法で造られている点が異なります。

なお、特別な醸造法の一例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 低温で長期発酵させている
  • 木製の器具を使って醪を絞る「木槽しぼり」を採用している
  • 無農薬の酒米を使用している

そのため、精米歩合が60%以上あっても特別な醸造法で造られていれば、特別純米酒を名乗ることができます。

「本醸造酒」はスッキリとした辛口の味わいが特徴

升と日本酒

本醸造系の日本酒の特徴
種類 原料 精米歩合 香味の要件
本醸造酒 米・米麹・仕込み水
醸造アルコール
70%以下 香味及び色沢が良好なも
特別本醸造酒 60%以下または
特別な醸造法
香味及び色沢が特に良好で、精米歩合60%以下
または特に良好であることを製造方法等により
説明表示してあるもの

本醸造酒

精米歩合が70%以下で醸造アルコールが入っているお酒です。スッキリとした辛口の味わいが特徴で、日本酒に馴染みのない方でも抵抗なく楽しむことができます。

特別本醸造酒

精米歩合が60%以下で醸造アルコールが入っているお酒です。本醸造酒よりも米をさらに磨き込んでいるため、淡麗で雑味のない味わいが特徴です。

さやかちゃん

辛口って…、わさびやマスタードのような辛いお酒なんですか?

サケ丸

いえいえ、「Hot(辛い)」でははく、「甘くない」という意味だよ!

「普通酒」は毎日の晩酌にぴったりな日本酒

徳利とお猪口

普通酒の特徴
種類 原料 精米歩合 香味の要件
普通酒 米・米麹・仕込み水
醸造アルコール
規定なし 「特定名称酒」として分類されない全ての日本酒

酒税法の特定名称酒の規定を満たしていない清酒は全て普通種に分類されます。

原材料に醸造アルコールを添加し、精米歩合は規定がないのが特徴です。

特定名称酒と比べて安価に販売されていることが多く、夜飲みの晩酌用にピッタリの日本酒です。

まとめ

特定名称酒の要件である原料や精米歩合で、おおよその味わいの傾向をつかむことができます。
日本酒にあまり馴染みのない方や女性の方は、原料のお米がしっかり磨かれていて、醸造アルコールの添加によりスッキリとした飲み口の吟醸酒系の日本酒から飲んでみてはいかがでしょうか。

  • 「特定名称酒」は、原材料や製造方法により吟醸酒大吟醸酒純米酒純米吟醸酒純米大吟醸酒特別純米酒本醸造酒特別本醸造酒の8種類がある。
  • 醸造アルコール」は主にサトウキビを原材料にした高純度のアルコールで、日本酒に添加することにより辛口でクリアな味わいになる。
  • 精米歩合」が高い(お米をたくさん削る)ほど雑味のないスッキリとした日本酒になる。
  • 吟醸酒」は果実を思わせる華やかな香りとスッキリとした味わいが特徴。
  • 純米酒」は米の旨味が深く感じらる通好みの日本酒
  • 本醸造酒」はスッキリとした辛口が特徴で、日本酒に馴染みのない方にもおすすめ。
  • 普通酒」は美味しくて財布にも優しいため毎日の晩酌にピッタリ

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