今回ご紹介する日本酒は、「味・香り・キレ」の三拍子揃った純米吟醸酒です。
さやかちゃん
サケ丸
純米酒はお米と水だけで造られた日本酒で、お米の風味をじっくりと堪能できます。

一方、吟醸酒は吟醸造りで造られたお酒で、フルーティーな果実の香りを楽しむことができます。

純米吟醸酒は、純米酒と吟醸酒の「旨味と香り」を併せ持った欲張りな日本酒なのです。
さやかちゃん
そこで本記事では、純米吟醸酒の味や香りの特徴に触れながら、自宅で気軽に楽しめるコスパに優れた10本をご紹介します。
純米吟醸酒を購入するのは初めてで、どれを選んで良いのか迷ってしまいう方は、本記事をぜひ参考にしてみてください。
- 純米吟醸酒のおすすめ10選
- 純米吟醸酒はどんな味や香りのするお酒なのか?
- 純米吟醸酒の美味しい飲み方
- 純米吟醸酒の保存方法
目次
純米吟醸酒とは|純米系と吟醸系のいいとこ取り!米の旨味と香りを楽しめるお酒
純米大吟醸酒は、吟醸酒と純米酒のそれぞれの良さを併せ持った贅沢なお酒です。
- 香り ⇒吟醸系のフルーティーな吟醸香
- 味わい ⇒純米系のお米の旨味・コク
以下では、純米吟醸酒の「香り」と「味わい」の2つの要素について、さらに詳しく解説していきます。
純米吟醸酒の香り|果実のようなフルーティーな「吟醸香」が特徴
純米吟醸酒は、醪(もろみ)を「吟醸造り」と呼ばれる低温でじっくりと発酵させる製法で造られます。
この吟醸造りで造られた日本酒は、バナナやメロンのような華やかな「吟醸香(ぎんじょうか)」を放つお酒に仕上がります。
蒸し米、米麹(こめこうじ)、仕込み水、酒母(しゅぼ)を混ぜて発酵させたもの。醪を搾ると原酒と酒粕に分離されます。
なお、醪(もろみ)の詳細は、「醪(もろみ)とは?|三段仕込みは多量の日本酒を造る伝統技術」でもご紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。
サケ丸
さやかちゃん
純米吟醸酒の味|お米の旨味やコクを味わうことができる
純米吟醸酒は「米・米麹・水」だけで造られる日本酒で、醸造アルコールは入っていません。
主にサトウキビで造られた高濃度のアルコール。醸造アルコール自体に味や香りはなく、日本酒に入れることによってクリアな味わいになり、香りが引き立つ効果があります。
なお、醸造アルコールの詳細は、「酔いや頭痛は醸造アルコールが原因?|日本酒に醸造アルコールを入れる3つの理由」でもご紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。
醸造アルコールは日本酒に加えると、雑味や甘味・酸味を抑える効果があり、スッキリとキレのある軽快な飲み口に仕上がります。
純米吟醸酒には醸造アルコールが入っていませんので、お米本来の旨味やコクを味わうことができます。
サケ丸
さやかちゃん
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純米吟醸酒おすすめ10本|女性や日本酒初心者向け銘柄を厳選紹介
純米吟醸酒のおすすめの10本をご紹介します。
女性の方や日本酒初心者の方など、まだ純米吟醸酒を飲んでいない方向けに厳選しましたので、購入する際の参考にご覧ください。
①八海山純米吟醸(新潟県)
酒米 | 山田錦、美山錦など |
---|---|
精米歩合 | 50% |
日本酒度 | +4.0 |
酸度 | 1.2 |
味わい | 辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒・常温・ぬる燗 |
②黒龍純吟(福井県)
酒米 | 五百万石 |
---|---|
精米歩合 | 55% |
日本酒度 | +4.5 |
酸度 | - |
味わい | 中辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
③雪の茅舎(秋田県)
酒米 | 山田錦など |
---|---|
精米歩合 | 55% |
日本酒度 | +2.0 |
酸度 | 1.6 |
味わい | 辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
④福寿(兵庫県)
酒米 | 兵庫県産米 |
---|---|
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +2 |
酸度 | 1.4 |
味わい | 中辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
⑤上善如水 純米吟醸(新潟県)
酒米 | 国産米100%使用 |
---|---|
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +5 |
酸度 | 1.3 |
味わい | 辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
⑥真澄 純米吟醸(長野県)
酒米 | 長野県産 美山錦など |
---|---|
精米歩合 | 55% |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.6 |
味わい | 辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒・常温 |
⑦酔鯨吟麗(高知県)
酒米 | 吟風 |
---|---|
精米歩合 | 50% |
日本酒度 | +7 |
酸度 | 1.7 |
味わい | 超辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
⑧南部美人 純米吟醸(岩手県)
酒米 | 雄町 |
---|---|
精米歩合 | 50% |
日本酒度 | ±0 |
酸度 | 1.6 |
味わい | 辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
⑨越野景虎 純米吟醸(新潟県)
酒米 | 五百万石 |
---|---|
精米歩合 | 55% |
日本酒度 | +1.5 |
酸度 | 1.6 |
味わい | 辛口/淡麗 |
飲み方 | 冷酒 |
⑩米だけのす~っと飲めてやさしいお酒純米吟醸酒(山梨県)
酒米 | 国産米100% |
---|---|
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +2.0 |
酸度 | +2.0 |
味わい | 辛口/やや濃厚 |
飲み方 | 冷酒・常温 |
純米吟醸酒の選び方|3つのポイントをご紹介
一口に純米大吟醸酒といっても、甘口・辛口や香りの強弱など、原料や製法の違いによって千差万別。
沢山の種類の中から自分にピッタリの1本を探し出すのはなかなか難しいですよね。
そこで、「4つのポイント」をご紹介しますので、純米吟醸酒を購入するときの参考にしてください。
①甘口・辛口で選ぶ|日本酒度と酸度で日本酒の甘辛が分かる
日本酒のラベルには様々な情報が記載されていますが、日本酒度と酸度は日本酒の味わいを知る目安になります。
◆日本酒度|糖分の含有量を表す指標(甘口/辛口)
日本酒度は、日本酒の甘口・辛口の判断の目安として使われています。日本酒に糖分が多く含まれていれば日本酒度はマイナス、少なければ日本酒度はプラスになります。
+6.0以上 | +3.5~+5.9 | +1.5~+3.4 | -1.4~+1.4 | -1.5~-3.4 | -3.5~-5.9 | -6.0以上 |
大辛口 | 辛口 | やや辛口 | 普通 | やや甘口 | 甘口 | 大甘口 |
◆酸度|酸の含有量を表す指標(濃い/薄い)
酸度は、日本酒の濃淡の目安として使われています。酸度が高いと辛口で濃く、低いと甘口で薄い味わいになります。
1.6以下 | 1.6~1.8 | 1.8~2.4 | 2.4以上 |
少し薄い | 普通 | 少し濃い | かなり濃い |
◆日本酒度・酸度|両者の相関関係から甘口・辛口を見極める
日本酒の甘口・辛口、濃厚・淡麗などの味わいは、日本酒度と酸度の組み合わせによって決まります。
そこで、日本酒度と酸度のバランスによって日本酒の味わいがどのように変わるのか図にしましたので、日本酒選びの参考にしてください。
さやかちゃん
関連記事:日本酒の甘口・辛口の違いとは?|日本酒度・酸度・アミノ酸度と味わいの関係
②味の濃淡で選ぶ|精米歩合でスッキリ感や濃厚感が分かる
精米歩合とは、精米した後に残ったお米の割合をパーセンテージ(%)で表したものです。
例えば、お米の表面(ぬか)を40%削ると精米歩合は60%になります。
精米歩合と日本酒の味わいには以下のような関係かあります。
- 精米歩合の値が低い(お米をたくさん削っている)
⇒淡麗でスッキリとした雑味のない味わい - 精米歩合の値が高い(お米をあまり削っていない)
⇒濃厚で深みのある味わい
サケ丸
さやかちゃん
関連記事:精米歩合とはお米の削り具合を示す指標|精米歩合で変わる日本酒の味わいとは?
③原料の酒米で選ぶ|酒米の品種で多種多様な風味を生み出す
純米吟醸酒の原料で使われているお米は、日本酒造りのために品種改良された「酒造好適米」が使われています。
日本酒はお米で造られたお酒ですので、米の良し悪しはお酒の味を左右します。
そのため、各地域で次々と新しい品種の酒米が誕生しています。
日本酒を購入する際は、ぜひお米にも注目してみてください。
◆山田錦(やまだにしき)
山田錦は「酒米の王様」と呼ばれるほど有名な酒米です。山田錦を使って造られた日本酒は香りが高くコクがありながらも、雑味のないスッキリとした味わいに仕上がります。
◆雄町(おまち)
雄町は慶応2年にはすでに栽培されていた日本最古の酒米です。雄町で造られた日本酒は、コクのある味わいと甘味と酸味の絶妙なバランスが特徴です。
◆五百万石(ごひゃくまんごく)
五百万石は、山田錦と並んで2大巨頭として君臨する有名な酒米です。味わいは淡麗でスッキリとした辛口のタイプの日本酒に仕上がるのが特徴で、新潟の端麗辛口の一端を担っています。
◆美山錦(みやまにしき)
美山錦は長野県を代表的な産地とする品種で、昭和53年に長野県農業試験場で突然変異によって生まれた比較的新しい酒米です。美山錦で造られた日本酒は、五百万石に近いスッキリとした軽快な味わいが特徴です。
さやかちゃん
関連記事
→酒造りに特化した酒造好適米(酒米)とは?|酒米の持つ4つの性質
→【山田錦・五百万石・美山錦】は日本酒の風味が違う!|生産地で変わる酒米の特徴とは?
④水で選ぶ|地域で湧き出る軟水・硬水で変わる酒の味わい
日本酒の製造過程で最も水を使うのが、日本酒の原料となる「仕込み水」です。
この仕込み水が軟水か硬水化によって日本酒の味わいは大きく変わります。
- 硬水 ⇒ 辛口でキレがあり個性ある日本酒になる
- 軟水 ⇒ お米の香りを引き出しまろやかな日本酒になる
例えば、「灘の男酒、伏見の女酒」と表現される兵庫県灘市と京都府伏見区の日本酒は、水の成分の違いにより味わいに以下のような異なる特徴があります。
- 灘(兵庫県)のお酒
⇒硬度の高い「灘の宮水」で造られており、キレのある辛口の味わいが特徴 - 伏見(京都府)のお酒
⇒中硬水の「伏見の御香水」で造られており、まろやかな味わいが特徴
このように、水の成分によって日本酒の味わいは変わりますので、地域の水の特徴を知ると日本酒選びがさらに楽しくなります。
さやかちゃん
関連記事:軟水と硬水の違い|仕込み水で日本酒の味わいはどう変わる?
純米吟醸酒の美味しい飲み方|基本は冷酒だが温めても美味しくいただける
香りが強くスッキリした味わいの吟醸酒は冷酒で食前・食後酒に向いているお酒です。
一方、純米吟醸酒は果実の香りを感じながらもお米の旨味を味わえるお酒です。
そのため温めてお燗酒にしても美味しくいただけますし、様々な料理と共に食中酒としても楽しむことができます。
そこで、以下では純米吟醸酒の香味をより引き立たせる温度と料理のペアリングについてご紹介します。
純米吟醸酒の温度|雪冷え(10℃)から人肌燗(35℃)がおすすめ
お燗の呼び名 | 温度 (徳利の温度) | 香りと味わい |
人肌燗(ひとはだかん) | 35~40℃(ほんのり温かい) | 味わいが膨らみはじめる |
日向燗(ひなたかん) | 30~35℃(温度を感じない) | ほんのり香味が感じられる |
涼冷え(すずびえ) | 15℃程度(冷蔵庫から出して少し 経過したくらいの温度) |
華やかな香りやとろみのある味わい がある |
花冷え(はなびえ) | 10℃程度(冷蔵庫で冷やしたくら いの温度) |
香りが小さくなり喉越しがよくなる |
純米吟醸酒は、冷酒でもお燗酒でもどちらも美味しくいただけます。
- 暑い夏 ⇒香りが適度に抑えられ軽快な飲み口になる冷酒
- 寒い冬 ⇒お米の風味が引き立つお燗酒
おすすめの温度は雪冷え(10℃)から人肌燗(35℃)で、冷やしすぎたり温めすぎたりしないことが純米吟醸酒を美味しくいただくポイントです。
関連記事:【日本酒の冷酒】全3種類をご紹介|冷酒の「呼び名」「味わい」は温度によって変わる
純米吟醸酒と料理|あっさりとした味付けの料理と相性がよい
和食 | 中華 | 洋食 |
・刺身 ・そば ・寿司 ・茶碗蒸 |
・かに玉 ・シュウマイ ・小籠包 |
・ロールキャベツ ・プレーンオムレツ ・スモークサーモン |
お米の旨味とフルーティーな香りを同時に堪能できる純米吟醸酒は、純米酒と吟醸酒の特徴を併せ持ったお酒です。
そのため、食前・食後酒として飲むのはもちろん、家庭料理と共に食中酒としても美味しくいただくことができます。
特に素材の味を生かした薄味の料理と合わせると、純米吟醸酒の上品な香りが料理の味をさらに引き立てますので、おすすめです。
さやかちゃん
純米吟醸酒の保存方法|10℃前後の冷蔵保存が必須
純米吟醸酒を始めとした吟醸酒系のお酒は、低温で長期熟成して造られた繊細な日本酒です。
そのため、常温保存するとフルーティーな香りが失われ、味わいのバランスが崩れてしまいます。
吟醸酒系のお酒を保存する際は、10℃以下の冷蔵庫で保存するようにしてください。
また、日本酒のラベルには賞味期限の表示はありませんが、一般的な日本酒の賞味期限が1年に対して大吟醸酒は9ヶ月と短いため注意が必要です。
- 保存方法:冷蔵保存(10℃前後)
- 賞味期限:9ヶ月(開封後は7~10日)
サケ丸
関連記事:日本酒の保管で重要な3つのポイント|気を付けたい「光」と「温度」の管理
純米吟醸酒と吟醸酒の違い|醸造アルコールの使用の有無
純米吟醸酒と吟醸酒は同じ「吟醸造り」で造られた日本酒ですが、以下のように吟醸酒は醸造アルコールを原料として加えて造られます。
- 純米吟醸酒
⇒米(精米歩合60%以下)+ 米麹 + 水
- 吟醸酒
⇒米(精米歩合60%以下)+ 米麹 + 水 + 醸造アルコール
醸造アルコールが入っている吟醸酒は、純米吟醸酒と比べて豊かな吟醸香の香りとスッキリとした辛口なお酒に仕上がります。
関連記事:二日酔いや悪酔いは醸造アルコールが原因?|日本酒に醸造アルコールを入れる3つの理由
純米吟醸酒と純米大吟醸酒の違い|原料のお米の削り具合
純米吟醸酒と純米大吟醸酒の違いは、以下のように原料として使われるお米の精米歩合にあります。
- 純米酒 ⇒精米歩合の規定なし
- 純米吟醸酒 ⇒精米歩合60%以下
- 純米大吟醸酒 ⇒精米歩合50%以下
- 特別純米酒 ⇒精米歩合60%以下または特別な製造方法
純米吟醸酒よりも磨き抜かれた米を使う純米大吟醸酒は、吟醸香がさらに強く、一切の雑味のない味わいのお酒に仕上がります。
サケ丸
さやかちゃん
まとめ:純米吟醸酒でお米の旨味と華やかな香りを楽しもう!
今回は、純米酒の旨味と吟醸酒香りの2つの要素を同時に楽しむことができる純米大吟醸酒をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
純米吟醸酒の香味の特徴をまとめると以下のとおりです。
- 味わい ⇒純米酒のようなお米のふくよかな旨味を感じる
- 香り ⇒吟醸酒のようなフルーティーな吟醸香を放つ
純米大吟醸酒は、醸造アルコールを使わずにお米と水で造られたお酒です。
- 精米歩合60%以下の酒米を原料として使っている
- 醸造アルコールを添加していない
- 「吟醸造り」と呼ばれる醸造方法で造られている
サケ丸
さやかちゃん
お米の旨味も味わえる純米吟醸酒は、冷酒からお燗酒まで幅広い温度帯で美味しくいただくことができます。
ただ、吟醸造りで造られた香りも味わいも繊細なお酒ですので、「温めすぎず・冷やしすぎず」の雪冷え(10℃)~人肌燗(35℃)がおすすめです。
サケ丸
純米吟醸酒は、香りはそれほど強くありませんし、ボディが比較的しっかりしているため食中酒としても楽しむことができます。
相性が良い料理は素材を生かした薄味の料理で、料理の風味をさらに引き立ててくれます。
さやかちゃん
本記事では、純米吟醸酒の中でもリーズナブルで、女性や日本酒を初めて飲む方にもおすすめな10本を厳選してご紹介しましたので、購入する際の参考にしてみてください。
本記事が、ピッタリな日本酒を見つける一助になりましたら幸いです。
それではまた!